ウォッチング 第8回

ここはデジタル工房スタッフのひとり言のページです。
工房から周辺の地域を眺めて、 生活文化の香りをみなさんにお伝えします。


スクール&ラボの「デジタル工房」は、池袋から東武東上線で20分の「志木駅」東口を降り、歩いて2分のところに在ります。「志木」は東京への通勤圏にあって、ベットタウンとして急速に開発されたまちです。高層のモダンな住宅群の志木ニュータウンは、都市開発の優れたモデルとして全国的にも知られています。江戸時代からこのまちは、荒川の支流である新河岸川の舟運で栄えてきました。古い歴史をもち、戦前までは、静かなたたずまいをもったまちだったのですが、最近では、ショッピングに便利な大型店舗の進出も目覚ましく、まちの風景は急速な変貌を遂げました。


第8回のウォッチングは
朝日屋 原薬局 登録有形文化財の登録について です。


第1回から第6回までのウォッチングはこちら
第1回第2回第3回第4回第5回第6回第7回

NO.
名称
員数
所在の場所
構造・形式など
年代
1
1棟
志木市本町2-4-43
木造2階建瓦葺
明治

2

1棟
志木市本町2-4-43
木造2階建瓦葺
明治
3
1棟
志木市本町2-4-43
木造平屋建鉄板瓦
明治
4
1棟
志木市本町2-4-43
木造平屋建瓦葺
昭和
5
1棟
志木市本町2-4-43
木造2階建瓦葺
昭和
6
1棟
志木市本町2-4-43
木造銅板葺
明治
7
1棟
志木市本町2-4-43
木造鉄板葺
明治

朝日屋原薬局は、江戸時代の旧街道(奥州道)に面して建てられています。薬局周辺は市場と呼ばれ、江戸時代から宿場として、また新河岸川の舟運などによる物流の拠点として発展してきました。

朝日屋原薬局は、明治20年代の創業で、明治45年に現在の店舗兼住宅が建設されました。その後、大正から昭和初期にかけて、屋敷内に洋館や離れを増設し現在の建物構成に至っています。建物には、一部増改築があるものの、明治から昭和初期の老舗薬局の店構えと建物構成がよく残されており、当時の薬局の状況を知る上で貴重な存在です。

 朝日屋原薬局 主屋(あさひやはらやっきょく おもや)

木造2階建ての店舗兼住宅です。
瓦葺の切妻造りで、2階窓には鉄格子をいれ、全体に重厚な造りとなっています。
また、当時の「薬舗」の看板が今も掛けられています。
登録基準一、国土の歴史的景観に寄与しているものとして登録されました。

 TOPへ 

 朝日屋原薬局 土蔵(あさひやはらやっきょく どぞう)

主屋の東方に主屋と同時期に建てられました。木造2階建て、瓦葺の切妻造りで、南面に窓を付けていますが、扉は付けず鉄格子をいれています。伝統的な漆喰壁の土蔵ですが、腰の高さから下部は、煉瓦積みの近代工法を用いています。
登録基準一、造形の規範となっているものとして登録されました。

 

 朝日屋原薬局 物置(あさひやはらやっきょく ものおき)

土蔵の東方に建ち、鉄板葺きの切妻造りで、もとは2階建でしたが、現在は2階床を取り払い半屋としています。
内部は、現在 稽古事のスタジオとして 活用されていますが、外観や梁、柱などはそのままとしています。
登録基準一、国土の歴史的景観に寄与しているものとして登録されました。

 TOPへ

 朝日屋原薬局 洋館(あさひやはらやっきょく ようかん)

主屋の南側に昭和7年に接客のために建てられました。木造平屋建、瓦葺の寄棟造りの洋風建築で、西側に玄関ポーチを設けています。部屋は一室で、東に廊下を設けています。
登録基準二、造形の規範となっているものとして登録されました。

 

 朝日屋原薬局 離れ(あさひやはらやっきょく はなれ)

屋敷地の東方に昭和9年に建設されました。木造総2階建、瓦葺の入母屋造りで、南を正面として、鉄板葺の玄関を設けています。各階を高くとり、ガラス窓を多用しています。
また、軒廻りなどには 数奇屋風の意匠がみられます。
登録基準二、造形の規範となっているものとして登録されました。

 TOPへ 

 朝日屋原薬局 門及び塀(あさひやはらやっきょく もんおよびへい)

主屋の南側に街道に面して建ち、主屋と連結されています。縦板張りの塀のやや主屋寄りに門があります。銅版葺き一間の小規模な門です。
登録基準一、国土の歴史的景観に寄与しているものとして登録されました。

 

 朝日屋原薬局 東雲不動尊祠(あさひやはらやっきょく しののめふどうそんほこら)

物置の東方にあり、主屋や物置と同時期に建てられたものです。切石積基壇の上に建ち、切妻造り、鉄板葺きの小規模な祠で、不動尊を祀っています。老舗薬局のくらしぶりを伝える上でも貴重な存在です。
登録基準二、造形の規範となっているものとして登録されました。

TOPへ